なぜ、私たちは「やろう!」と決めたことを続けられないの?
何か新しいことに挑戦しようとしたけれど、すぐにやめてしまった…という経験は、誰にでもあるはずです。
「意志が弱いから」「やる気がないから」と自分を責めていませんか?実は、やめてしまう本当の理由はずっとシンプルで、あなたの心や気持ちの問題ではありません。
私たちが行動を続けられないのは、その行動を「必要だ」と心が納得していないからです。
これは「行動科学」という学問が教えてくれることです。私たちは、脳が「ムダなこと」「意味のないこと」と感じた行動は、いくら頑張っても続けることができないのです。
この記事では、「必要性がない」という大きな壁を乗り越えて、どんなことでも楽しく続けられるようになるためのヒントを、分かりやすい例と一緒に見ていきましょう。
考察 1:毎日の「あいさつ」が教えてくれる大切なこと
一番身近な習慣である「あいさつ」が、なぜ必要とされなくなるのかを考えてみましょう。
あいさつを「しなくていい」と学習する仕組み
私たちは、まわりの状況から「あいさつは必要ない」と学んでしまうことがあります。
- 朝起きた時に家に誰もいない:誰にも「おはよう」を言う必要がありません。
- 家に帰っても誰もいない :「ただいま」と知らせる必要がありません。
- 家族と顔を合わせても話す機会がない : 声を出さなくても大丈夫、と脳が判断します。
このように「あいさつをしなくても困らない」という状況が続くと、脳は「あいさつはしなくていい余計な行動だ」と判断し、だんだんとしなくなってしまうのです。
なぜ、あいさつは「必要」なの?
では、あいさつは私たちにとって本当に必要のない行動なのでしょうか?
あいさつは、「私はここにいるよ」と自分の存在を相手に知らせるための、一番基本的なコミュニケーションの道具です。声を出して交流することで、相手の様子や気持ちの変化にも気づけるようになります。
あいさつという小さな行動を続けることは、まわりの人とのつながり(社会的なつながり)を守り、私たちが安心して毎日を送るための、とても大切な土台なのです。
考察 2:便利すぎる技術が奪う「基本的な力」の必要性
今の世の中は、スマートフォンやインターネットなど、技術の進歩でどんどん便利になっています。しかし、ここに大きな問題が隠れています。
現金を持たなくなる理由
最近は、お店で電子マネー(QRコード決済やキャッシュレス)が使えるので、お財布に現金を入れて持ち歩かない人が増えました。
なぜ現金を持たなくなったのでしょうか?
それは、「現金が必要な場面が少なくなったから」です。
これは、「必要だと思わないことは行動に移さない」という習慣化のルールが、便利さの中でも働いている証拠です。
「基本的な力」がなぜ大切なの?
世の中が便利になりすぎると、「自分でやるべき基本的な行動」(例:お金の管理、計画を立てる力)をする機会が減ってしまいます。
技術がどんなに進んでも、私たちは、「自分でよく考える力」や「自分の考えを相手にハッキリ伝える力」など必ず必要になります。
しかし、これらの高度な能力は、毎日の人との交流や、地道な練習という「基本的な習慣」の上にしか育ちません。
便利さを求めるあまり、基本的な行動の必要性を失ってしまうと、いざという時に高度な技術を使いこなすための「自分で判断する力」まで失ってしまうという、深刻な問題が起こるのです。
考察 3:将来のための「練習」と「投資」の必要性
新しい技術を身につけたり、自分の能力を伸ばすための練習が続かないのは、その行動が将来どれだけ必要になるか(未来の必要性)を実感できていないからです。
練習は「自分の可能性を広げる」ための投資
練習はなぜ必要なのでしょうか?
練習とは、技術を身につけることを通して、自分の将来の可能性(できること、挑戦できること)を広げるための、長期的な目標に役立つ行動です。
しかし、「将来のために必要だ」という実感が持てないと、毎日コツコツと続ける地道な練習は続きません。
キャリアと「未来の必要性」
これは、仕事(キャリア)を考える時にも当てはまります。
若い人が仕事を辞めてしまう理由には、「この会社にいても成長できない」「将来の目標が見えない」というものがあります。これは、その人にとって長期的な成長や自己実現という「未来の必要性」が満たされていないことを示しています。
継続的な努力や練習が、最終的には「将来、大きな成果を実現するための土台」になる、という考え方がとても大切です。
「お金を払う」ことの隠された必要性
習い事や勉強にお金を払う(投資する)のは、単に知識を買うことだけが目的ではありません。
お金を払って良い環境に身を置くことは、
- やる気が出るような仲間や先生と出会う機会が増える。
- 成長を助けてくれる場所や道具を使うことができる。
という、自分を成長させるための良い環境を手に入れる、より大きな「必要性」のために支払われているのです。
最終結論:習慣化へのたった一つのカギ
行動を続けるための習慣化の最初のステップは、「やる気」や「根性」に頼ることではありません。
心から「これは自分にとって本当に必要だ」と納得できる目的を見つけることです。
行動を起こす時、まずはこの質問を自分にしてみてください。
「なぜ、私はこれをやる必要があるのだろう?」
この質問に、自分が心から納得できる答え(目的)を見つけることこそが、どんな行動でも続けられるようになるための力となるのです。
この「納得できる目的」を見つけたら、次は達成しやすい小さな目標を設定し、それをクリアすることで「自分にもできた!」という成功体験を積み重ねていくことが、自信と自己効力感を育み、習慣化への道を確実なものにします。明日、今日の為の理由ではなく将来の為の理由として取り組みましょう。

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