なぜゴルフだけ「私、たぶん上手い」と勘違いするのか? | 上達を妨げる3つの心理的罠


はじめに:なぜゴルフだけは「練習不足」を認められないのか?

あなたは「私、たぶん上手い」と、なぜかゴルフにだけ自信が湧いてきませんか?

野球やサッカー、バスケットボール等のスポーツなら、「練習してないからできない」「試合に参加出来ていない」とすぐに納得できます。しかし、ゴルフだけは「動画で見たし、理論は知ってるから、あとは練習すればできるはず」という、根拠のない自信が生まれます。

結論から言えば、これはあなたの性格のせいではありません。ゴルフというスポーツが持つ「ずるい仕組み」と、私たち人間の「思い込みのクセ」が、あなたから「練習不足」という一番の原因を巧妙に隠しているからです。

ここでは、あなたのゴルフ上達を妨げる「3つの罠」を解説します。


目次

罠1:たった一発の「ホームラン」が、あなたの目を曇らせる

他のスポーツが厳しいのに対し、ゴルフは初心者にとっても「優しい」部分があります。

  • ボールが動かない: 向かってくる球を打つ野球と違い、ボールが止まっているので、とりあえず「打つ動作」は誰にでもでき、「ゲームに参加できてる」と錯覚します。
  • 失敗しても続きがある: ミスショットでOBしても、ペナルティを払って次のボールを打てばいい。体力も必要ないので、練習量が少なく体力のない方でも続けられます。
  • 「マグレ当たり」が麻薬になる: これが一番厄介です。100球打って99球ダメでも、たった1球、芯に当たってパーンと飛んだ時の快感!この「一発の成功」が、「ほら、やっぱり自分は本来打てるんだ!」という、根拠のない自信が生まれます。

ゴルフは、失敗をすぐに忘れさせてくれる仕組みになっているため、「練習不足」という根本的な原因を、私たちはなかなか認められなくなってしまうのです。


罠2:脳の「0.2秒の壁」が、あなたのスイングを邪魔してる

「動画で見た通りに、ここで力を入れる!」と思っても、なかなか上手くいきませんよね。

実は、私たち人間には、「脳が指令を出してから体が動き始めるまでに、0.2秒のタイムラグがある」という、変えられない体のルールがあります。

衝撃の真実:力を入れたいと思っても、もう手遅れ

ドライバーのヘッドスピードが速い場合、「インパクトで最大パワー!」と思っても、実際に力が伝わり始めるのは0.2秒後。つまり、ボールがすでに飛んでいった後、フォロースルーに入ってから、ようやく力が伝わってしまいます。

これではボールは効率よく飛びません。

動画を見て「知識」を得るのは一瞬ですが、この「0.2秒の壁」を破るには、頭で考えるのをやめて、体が勝手に正しいタイミングで動くように、ひたすら繰り返し練習するしかありません。ゴルフは、知識も含め「体が勝手に動く仕組み(熟練度)」を作るスポーツなのです。


罠3:あなたは真っ直ぐ立てていない!アマチュア9割が陥るアライメントの罠

スイングを安定させるには、「正しいセットアップ(構え)」が土台です。その中で、唯一すべての人に共通する絶対的な基礎が「体の向き(アライメント)」です。

あなたは「目標に向かって真っ直ぐ立てている」と自信がありますか?

残念ながら、アマチュアゴルファーの9割以上が、自分が真っ直ぐ立っていると思い込みながら、実は体の向きがズレているという事実があります。コースは目の錯覚を起こしやすく、自分の感覚は簡単に騙されてしまうからです。

  • 土台が曲がっているのに、スイングや手先の技術ばかり直そうとしても、上手くいきません。
  • まずは「自分が真っ直ぐ立てているか」を毎回客観的にチェックする、という地味な作業が必要となってくるのです。

まとめ:ゴルフは「謙虚さ」が一番試されるスポーツ

なぜゴルフだけが「簡単にできる」と勘違いさせるのか? それは、私たちに「練習不足」という一番の原因から目を背けさせる構造があるからです。

真の上達を目指すなら、次の3つを意識しましょう。

  1. 感覚を疑う: 自分が真っ直ぐ立っている、という感覚を信じず、アライメントスティックなどを使って毎回体の向きをチェックする。
  2. 知識より反復: 新しい理論を見る時間より、同じ動きを体に染み込ませる練習に時間を使う。
  3. 謙虚さが武器: 自分が「わかった!」と思った時こそ危険な状態です。自分のミスを客観的に分析し続ける謙虚な姿勢こそが、ゴルフの上達には最も必要な要素なのです。

ゴルフは「簡単そう」な顔をしていますが、実は「心のあり方」が一番試される、奥の深いスポーツと私は思っています。

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